2009年4月27日月曜日

花山椒


猫の額のような我が家の庭に2本の山椒の木がある。1本は、隣の家が引っ越ししたとき、垣根をまたいで譲り受けたもの。「雄(オス)だから、実はならないけど、木の芽は使えるよ」と言われ、「それなら(うちには1本もないから)」と頂いた。それはそれでよかったんだけど、そのうち、「実も欲しいなぁ」と思い始め、山へ行ったときに、小さな苗をポリ袋に入れて持ち帰った。小さいうちは雄だか雌だか分からない。「確率半分かな」と思いながら、いざ大きくなったら雄だった。それで家には2本の雄の山椒の木がある。2本もあるのに、実が採れない歯がゆさはあるが、毎年この時期(4月の中旬から下旬)には、この花で楽しませてくれる。線香花火のようないとおしさがある。

花はホントにこの時期だけ。咲いてるのは、長くて2週間。それも大量に咲くので、毎年この花を見るたびに、これをうまく使えないものか、と考える。木の芽の代わりに・・・、常套手段だろうが、香りの立ち方は木の芽の方が上。それで、あるとき某高級スーパーに行ったとき、「花山椒」という商品名で、小さなガラス瓶に入ったものを見つけた。原材料の表示を見ると、醤油・みりん・酒とある(順序は不確か)。2,000円ぐらいしたかな。やたらと高いのでそれは買わずに、今年は、自分で炊いてみた。醤油は薄口か白醤油がいいと思う。

ちょっと変わった山椒の楽しみ方だ。最初、口に含んだときは、柔らかい花の房の食感で山椒の味や香りはあんまりしない。「ん〜、かじると香りが広がるかな」と思いきや、ちりめん山椒の実のような刺激ではなく、ほのかな味と香り。そして「ソフトな刺激なんだ」と思いきや、なぜか飲み込んだ後から舌に残る刺激が思いの外強い。結果的に口の中には山椒の味と香りが結構残る。完全に酒の肴だ。

木の芽は最初に立つ香り。実(み)はかじったあとの刺激。とすれば、花は、刺激は柔らかだが、後効き(アトギキ)の味と香り。だから、最初効かないと思って多めに口にすると後で大変です。でも、ちびちび食べながら、お酒を飲むには乙(オツ)なもの。

そして、もちろん生のまんまでも。ハーブのノリで楽しめます。サラダにパラパラなど。細かく刻むと、アトギキの時間差が縮まります。でもこの使い方は、木の芽と変わらないから、イマイチか。

今はもうすっかり花の落ちた山椒の木。来年までにまた何か考えておこう。これを読んで、「こんな使い方があるよ」という方、是非書き込んでくださーい。

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